豪潮寛海
十一面観音図

Gocho Kankai
Kannon

掛軸　豪潮賛　104,5cm×26cm(総丈186cm×44cm) 箱入

作品の状態について

画は豪建が描いており、賛を豪潮が書いています。
画面、表装共に良い状態です。

十一面々異
大慈大悲同
　八十三翁豪潮拝題

〈読み〉
十一面の面(おも) 異なり、大慈大悲 同じきなり。八十三翁 豪潮拝題す。

〈大意〉
頭上の十一面のお顔はそれぞれ違った表情をしているが、どの面も等しく大慈大悲をもって衆生を救う。

〈解説〉
　蓮華座に座る十一面観音が雲に乗って飛来する姿を描いた図。右手は垂下して数珠を、左手は屈臂して紅蓮華を挿す水瓶を持っています。慈悲深い表情で描かれています。賛は、豪潮が83歳の時に記しています。最晩年の筆跡で、気力は充実し筆勢も強く感じられます。(Ｙ)

【十一面観音】
六観音または七観音の一つ。観音菩薩の救済の働きが多面的であることから生み出された変化観音。11の顔を持ち、前三面を菩薩面、左三面を瞋怒面(しんぬめん)、右三面を狗牙上出面(くがじょうしゅつめん)、後ろの一面を暴悪大笑面とし、頂上を仏面とするが一般的。本面を加えて十一面とするもの、本面以外に十一面あるものがある。

作家について

豪潮寛海（1749〜1835）は、熊本県に生まれた天台宗の僧。
7歳の時、天台宗霊験寺の豪旭阿闍梨のもとで修行を始めた。
16歳で比叡山延暦寺に入山する。遍照金剛大阿闍梨、権大僧都法印伝・燈大法師の階位と広海...

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