画題の意味:鬼の念仏
描かれている内容が理解できれば絵画鑑賞はより一層楽しくなります。
今回は鬼の念仏について解説します。
鬼の念仏について
鬼の念仏は大津絵のシンボルともいえる画題です。
恐ろしい鬼が、念仏を唱えて布施を乞いながら歩く。そのギャップが好評を博し、人気画題となりました。
鬼が僧の身なりで勧進を行う姿は、慈悲のない心にもかかわらず、形だけの善行を積む偽善の風刺として描かれました。
僧衣を纏う鬼が偽善者の姿を表し、知らぬのは本人だけ。顔かたちは鬼のままで、衣装・小道具だけを僧侶にしても無駄だという意味があります。
カテゴリ:画題の意味