画題の意味:維摩
描かれている内容が理解できれば絵画鑑賞はより一層楽しくなります。
今回は維摩について解説します。
維摩について
維摩とは大乗仏教の重要な経典『維摩経』の主人公の名です。
大変な資産家で、釈迦の在家の弟子でありながら非常に高度な奥義に達したと伝わっています。
ある時、釈迦に命じられ、文殊菩薩ら32人の菩薩が病床の維摩を見舞いました。しかし維摩は彼らと次々に問答し論破したといいます。
最後に文殊と問答して、沈黙をもって答えました。これは「維摩の一黙、響き雷の如し」として『維摩経』の有名な場面となっています。
参考作品:
白隠慧鶴「維摩図」
狩野安信「維摩図」
狩野山雪「維摩図」
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