画題の意味:蟹
描かれている内容が理解できれば絵画鑑賞はより一層楽しくなります。
今回は蟹について解説します。
蟹について
蟹が横に歩く様が、権力に与せず我が道を行く姿に例えられました。「横行君子」と呼ばれ、文人が好んで描いた画題です。
芦と蟹を描く事は、中国最難関の官僚試験である科挙試験に合格し、名声が世にとどろく事を意味し、立身出世の願いが託されました。
また、還暦祝いの意味もあり、還暦を華甲と呼ぶことから、華は菊、甲は蟹で表し、吉祥の意味が込められています。
参考作品:
伊藤若冲「蟹図」
黒川亀玉「指頭画墨蟹図」
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