画題の意味:釈迦
描かれている内容が理解できれば絵画鑑賞はより一層楽しくなります。
今回は釈迦について解説します。
釈迦について
今から約2500年前に実在したインドの思想家ガウタマ・シッダールタが仏教の開祖である釈迦と呼ばれ、礼拝の対象として尊ばれる存在となりました。
同時代には、ソクラテス、孔子、老子といった後世にまでその思想・哲学により影響を与える人物が登場することは歴史の必然であったのでしょうか。
釈迦は生まれてすぐに歩いてしゃべり、天に昇り金の階段で降りてくる、などの超人的な伝説が残され、その偉大さを仏教徒たちは讃えています。
日本では、奈良時代に「過去現在因果経」が制作され、平安時代は涅槃図、鎌倉時代には一代記的な仏伝図が制作されるなど、釈迦信仰を示す作例が残されています。
釈迦を追慕する年課儀礼として、誕生を祝う仏生会、成道を記念する成道会、涅槃を記念する涅槃会が重要視されています。
南宋・元時代や日本において描かれる出山釈迦図は苦行を無駄と知った釈迦が山を降りてきた場面を表したとされています。
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