画題の意味:達磨
描かれている内容が理解できれば絵画鑑賞はより一層楽しくなります。
今回は達磨について解説します。
達磨について
達磨はインド人の仏教僧で中国禅宗の祖とされています。インドから中国に渡り、梁の武帝との問答を経て嵩山の少林寺に入りました。そこで九年間、面壁坐禅をしたといわれています。
そして中国で初めて弟子をとり、慧可と名付けました。この慧可にすべてを伝えて中国に禅宗の基礎を築きましたが、その教えを理解できない者たちによって毒殺され、熊耳山定山寺に葬られました。
遷化から3年後、聖域を旅した人が履き物を片方だけ手にして歩く達磨に出会いました。話を聞いた孝荘帝が達磨の墓を開けさせると、遺体はなく一隻履のみが残されていたといいます。
達磨により中国に禅宗が伝えられ、それは六祖慧能にまで伝わりました。また、日本の宗教にも絶大な影響を及ぼしました。
達磨は、「常に自分の心の中を見つめ、真の自分を失わない」事がいかに大切でまた難しい事か教えてくれています。
参考作品:
白隠慧鶴「達磨」
富岡鉄斎「達磨図」
霊源慧桃「大達磨図」
中原南天棒「面壁達磨図」
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