画題の意味:寒山拾得
描かれている内容が理解できれば絵画鑑賞はより一層楽しくなります。
今回は寒山拾得について解説します。
日本の文化や禅の思想にも大きな影響を与え、禅の実践や哲学に興味を持つ人々にとって、探求の対象となる寒山拾得こそ、現代社会に理解されるべき図柄ではないでしょうか。
寒山拾得について
寒山拾得図は、寒山が詩巻を開き、拾得が箒を持つ姿として禅画などで描かれます。
中国・唐時代の僧・豊干禅師の弟子で、拾得は豊干に拾い養われたので拾得。寒山は国清寺近くの寒山の洞窟に住む事から寒山と称しました。
世俗を超越した奇行が多いとされる寒山拾得の事績は、天台山の木石に書き散らした彼らの詩を集めたとされる「寒山詩集」に付せられた伝説に発するものです。
俗世を捨て隠れ住む寒山拾得の姿に、宋代以降の禅僧たちは憧れました。
また、この2人は文殊菩薩と普賢菩薩の生まれ変わりとも言われています。
参考作品:
円山応挙「寒山拾得図」
弘巌玄猊「寒山拾得図」
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