中井董堂 (なかいとうどう)
中井董堂(1758~1821)は、大阪の生まれ。一説には江戸の人ともいわれる。名は敬義、字は伯直。商人だったことから狂歌師としての名を腹唐秋人、戯作者としては島田金谷を名乗って、大田蜀山人や大屋裏住らの門で狂歌・狂詩・戯作などに筆を揮った。『本丁文酔』や『狂訓彙軌本紀』『幸大寺不実録』などの著作がある。書家としては董其昌に傾倒したことから董堂の号を用いた。他に春星、小笠の号がある。大田蜀山人、谷文晁、大窪詩佛、菊池五山、市河寛斎・米庵らとともに文化文政の文墨世界で活躍した人物のひとりである。