三井親和 (みついしんな)
三井親和(1700~1782)は、信濃の生まれ。字は孺卿、通称は孫兵衛、親和はその名。号に龍湖、万玉亭などがある。深川に住んだことから深川親和、深川漁夫などとも名乗った。早くから江戸に出て、禅僧東湖のもとで学び、細井広沢の門人となった。弓術にも秀でたことが知られ、その門弟も多かったという。広沢から趙子昂や文徴明の書風を受け継ぐと同時に、篆書や隷書を習得、篆刻も得意とした。近在の商家の看板や寺社の額、聯、幟旗などの揮毫を数多く手掛けている。その文字を布に染めた親和染も親しまれた。