大久保利通
奉勅七絶
Okubo Toshimichi
Calligraphy
掛軸 絹本 165,5cm×52cm(総丈227cm×66cm) 徳富蘇峰箱書 二重箱 2018年「墨魂の昴ー近代書道の人々」展出品作
作品の状態について
画面に巻きシワがあります。
表装に虫穴があります。
奉勅単身向北京黒雲堆裏
蹴波行和成忽下通州水
閑臥孤篷夢自平
乙亥春日為桐陰嘱録旧作 甲東
(読み)
勅を奉じて単身 北京に向かい、黒雲堆裏 波を蹴って行く。
和成りて忽(たちま)ち下る 通州の水、閑かに孤篷に臥せば 夢自(おのずか)ら平らかなり。
乙亥春日、桐陰の嘱の為に旧作を録(しる)す。甲東。
(口語訳)
天皇の勅命を奉じて、交渉をおこなうべく、単身、船で北京へ向かった。蒸気船は煙突から黒い煙(雲)をうず高く吐きながら、波を蹴立てて進んで行った。無事、清との和議が成立し、ただちに通州の川を下ることになり、川船で心静かに横になって眠れば、夢も自然と穏やかであった。
◯堆裏 山のように積み重なった中。 ◯和 和議。 ◯通州水 通州を流れる川。通州は、北京と天津の間にある町。 ◯孤篷 一隻だけの舟。孤舟。 ◯桐陰 不詳。桐野利秋(中村半次郎)のことか。 ◯甲東 大久保利通の号。
甲東は、明治7年(1874)9月に台湾出兵問題解決のため、全権弁理大使として渡清しました。交渉妥結後、清からの帰途の船中で詠んだ「下通州偶題」の詩を、翌年の明治8年(1875)春、甲東46歳の時、桐陰という者の求めに応じて揮毫した晩年の作品です。
覇気のある筆遣いに、激動の時代を行きた甲東の生きざまを感じます。昭和6年(1931)11月に徳富蘇峰が拝観したとの箱書があります。この詩を揮毫した書幅が『甲東先生遺墨集』(巧芸社、昭和2年)に3点収載されているが、どれも年紀を記しておらず、本作は貴重です。(Y)
・徳富蘇峰(1863−1957)
明治から昭和戦後期にかけて活躍した評論家、歴史家。熊本県生まれ。名は猪一郎。明治20年(1887)に民友社を設立、「国民之友」「国民新聞」を発刊し、平民主義を提唱。日清戦争後は帝国主義の鼓吹者となった。著「吉田松陰」「近世日本国民史」など。文化勲章。
作家について
大久保利通(1830〜1878)は、鹿児島県(薩摩)に生まれた政治家。号は甲東。
公武合体運動に尽力。討幕派の中心人物で、薩長同盟の推進者であった。
西郷隆盛、木戸孝允とともに明治維新の三傑の一人にあげら...
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