河東碧梧桐
俳句聯双幅

Kawahigashi Hekigoto
Haiku

掛け軸　紙本　各120cm×17cm（総丈各185cm×20cm）箱入

作品の状態について

画面に少しシミ、オレがありますが、鑑賞に影響するものではないと考えています。

(読み)
風垣をして菊見えず枯るゝ頃
金州や子規子も行し春の山

　右幅の句は明治39年(1906)12月1日に、左幅の句は明治37年(1904)春(3月か)に作られ、双方とも『河東碧梧桐全集』第二巻に収録されています。
　本作は、本文と落款｢碧｣の書きぶりから、昭和に入って数年経った頃に揮毫されたものであると考えられます。(島田三光『革新の書人 河東碧梧桐』(思文閣出版、平成21年) ｢書風変遷－落款を中心として－｣を参照)　自由さと伸びやかさを持つ漢代の木簡書風で書かれ、漢字と仮名の調和が見事です。また、斬新な空間処理による美しい余白、柔らかでありながらも躍動感のある線質は観る者を驚かせ、書と句が生み出す碧梧桐独自の表現世界を楽しむことができます。(Ｙ)

作家について

河東碧梧桐（1873～1937）は、松山市千舟町に河東静渓の五男として生まれた。名は秉五郎。19歳のころ、俳号が碧梧桐に落ち着き、別号には青桐、如月、桐仙、秉殻、梧桐仙、海紅堂など多くある。
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