福沢諭吉
二行書

Fukuzawa Yukichi
Calligraphy

掛軸　絹本　113,5cm×35cm(総丈188cm×50,5cm) 箱入

作品の状態について

画面、表装ともに良い状態です。
絹に描かれた作品は珍しいです。

黒雲吐明月霖雨報晴天々
變与人事由来不偶然

〈読み〉
黒雲 明月を吐き、霖雨 晴天を報ず。
天変と人事、由来 偶然にあらず。

〈語釈〉
◯霖雨＝三日以上降り続く雨。長雨。

〈大意〉
黒い雲が去って明るい月が現れ、長い雨が止んで晴れた天気の訪れを告げる。
天空に起こる変動と人間社会の出来事との間には深い関わりがあり、全てが偶然ではなく必然であるのだ。

〈解説〉
　『福沢諭吉全集』第20巻に収まる「偶成」（制作年未詳）の詩を揮毫しています。天の変化（自然現象）と人間の出来事との間で起こる事象は必然であるということが述べられています。また、困難や試練の後に必ず明るい未来が訪れるという希望のメッセージも含まれているのではないでしょうか。(Ｙ)

作家について

福沢諭吉(1835-1901)は、大坂に生まれた思想家・教育者。豊前国中津藩士であった福沢百助の五男。大坂で緒方洪庵の蘭学私塾である適塾で教えを受け塾頭も務めた。その後、江戸に移り蘭学塾（後の慶応義塾）を開塾...

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